[倉本聰]
文明は人間がエネルギーを消費しないで済む方向に進んでいます。例えばリモコンは、歩くエネルギーを惜しんだ結果の産物。しかも、それによって蓄積された余剰エネルギーを消費すべく、今度はお金を払ってジムへ通い、何の生産性もない重いものを持ち上げたり、どこにも行き着かない自転車を漕ぐという本末転倒な世界に、人ははまりこんでいる。

『北の国から』はその対極にある、第一次生産者の世界。何かを生産するために必然的に体を動かし労働の苦しみを味わい、その中から喜びも悲しみも生まれる。

都会の人間は首から上だけの思考のみで生きています。でも僕は、指の先から足の先まで、体すべてで生きている人間を描きたかった。詰め込まれた知識ばかりの人間と、生きる力としての知恵を持った人間と、どちらが人間としての格が上なのかをね